『難聴』と『認知症』の関係について

こんにちは、補聴器のカワチの服部です。

今回はお客様やご家族の方とのお話の中でも心配されていることが多い『難聴』と『認知症』の関係についてお話しさせていただきます。

『難聴』と『認知症』の関係については、2015年厚生労働省発表の≪認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)≫において『難聴』が、認知症発症の危険因子のひとつにあげられています。
また、今年の1月15日に東京で『”難聴と認知症・うつ病”に関する国際シンポジウム』が開催され、フランス・アメリカ・WHOから専門家をまねき、講演とパネルディスカッションがおこなわれました。
パネルディスカッションのなかで、補聴器についても触れられ、「日本は補聴器の普及率、使用者の満足度がともに先進国の中で一番低く、また、公的援助を受けるには高度難聴である必要がある」「日本では全国に補聴器相談医が約4,000人、また認定補聴器技能者は約3,000人いるが、販売店のうち認定補聴器技能者が在籍する店の割合は全体の1/4にとどまっている」などの問題点があげられました。

日本において、「難聴」と「認知症」の関係について大きく取り上げられるようになったのはつい最近ですが、米国では10年以上前から研究が進められてきました。
補聴器メーカー「スターキー」のブログ記事に以下のような内容がありました。

― ジョン・ホプキンズ大学と国立老化研究所との共同研究で、加齢とともに萎縮する脳において、難聴の高齢者はとくにこの変化が著しい(脳の萎縮速度がはやい)と報告されました。
リン博士の研究結果
・難聴者は健聴者よりも脳萎縮の速度が加速する
・毎年、脳組織の萎縮する体積が健聴者よりも難聴者の方が1㎤以上も大きい
・難聴者は、脳の構造で音声言語を処理している上側、中側、下側頭回の萎縮が著しい

リン博士によると、音声言語を処理している脳分野の萎縮は『聞こえない』ことが原因で起こる可能性が高いといっています。
また、他の研究結果より早期に聞こえをチェックすることが認知機能低下の予防となるという報告がなされているそうです。 ―(補聴器メーカー「スターキー」のブログ記事より)

補聴器と認知症

2016年12月15日付の日本経済新聞夕刊の「加齢性難聴、放置は禁物 認知症など併発の恐れ」のなかで以下の見解が書かれていました。
― 難聴は放置すれば進むとされる。さらに「耳から入る情報が少なくなると脳が衰え、認知症など他の病気を併発する恐れも」と河野教授 ―
つまり、耳から入る情報を多くすることで認知症の予防の可能性を期待できると思われます。
また、「All About健康・医療 認知症予防に!脳を活性化する方法」にこんな内容もございました。
― コミュニケーションを取るということは、脳へ刺激を与え、活性化させている ―

補聴器により、耳から入る情報を多くしたり会話をしやすくなることで、積極的にコミュニケーションをとると脳が活性化され、認知症の予防となる可能性があると考えられます。

ただいま、当店では【補聴器相談会(~6月30日)】を開催しております。『最近、聞こえにくいな』ということがございましたら、ぜひ、補聴器のご視聴におこしくださいませ。