こんにちは補聴器のカワチの服部です。
今回は、先日わたしが担当させていただきましたごI様のお話をさせていただきます。
I様は昨年の12月中ごろに初めて当店にご来店されました。
お友達と楽しくおしゃべりしたい
I様は10年くらい前から聞こえづらくなってきた自覚はおありだったそうです。当時はあまり不便しなかったので、特に補聴器をつけようとはされませんでした。
その後、I様は3年ほど前に名古屋に引っ越されてきました。
社交的なI様はさっそく喫茶店で5~6人のグループの方々と仲良くなりました。毎週金曜日にみんなで集まっておしゃべりを楽しんでいるそうです。
みんなと会うのはI様にとってとても楽しみなのですが、会話の内容があまりわからず生返事したり、受け答えがチグハグしてしまうことがよくあり最近少し気がめいっていたそうです。
そこで、補聴器を試してみようと思い当店にご来店されました。
年末に最後のグループの集まりがあるのでそこで試したいとおっしゃていたので一週間、ワイデックスのドリーム330の試聴器をお使いいただきました。
ゆっくり焦らず検討・調整をするのが補聴器利用のポイント
一週間後、I様がご来店されとてもよく聴こえた事によろこんでいらっしゃいましたが、グループの集まりは半分のメンバーが用事で行けなくなり、結局いつものおしゃべり会はなくなってしまい試すことができなかったそうです。また、年末で気が焦った状態で決めるのは良くないと思われていたので、年明け後にゆっくり検討されることになりました。
2月のはじめにI様がご来店されました。
「年明け後にみんなと何度かおしゃべり会しているが、やはり聞こえないのがとても苦痛になってきた。」とおっしゃていました。もう一度、試聴されたいとおっしゃっていただいたので試聴器をお使いいただいたところ、おしゃべり会でもとてもよく聴こえ違和感も少なく、調子が良かったとよろこんでいただきご購入いただきました。
調整のポイント
今回のI様は聞こえにくい状態の期間が長く、しかも中度以上ぐらいの聞こえ具合でしたので自動調整で補聴器の音を聞いていただいた時、とてもひびく感じや自分の声の変化にとまどっていました。はじめて補聴器をご利用なされる方に、こういったとまどいを感じる方がいらっしゃるのは確かです。
聞き取りの能力はとても向上されていたので、まずは慣れやすさを優先し、音の増幅をひかえめに、特に小さい音を大きくしすぎるとたくさんの種類の音に反応しすぎてしまい疲れやすくなりそうなので、普通の音と同程度の増幅にいたしました。
わたしたちの普段の生活には、たくさんの種類の音があります。どの音をより聞こえやすくしたいのか、どの音を控えめにしたいのかというのは、個人による差がかなり大きいです。わたしたちは、お客様との対話や測定を通じて、それを知り、そして補聴器の調整に反映していきます。
最初はメガネをかけていらっしゃるので耳あな型がよろしいかと思いましたが、ひびく感じやこもった感じを気にされていたので、耳かけ型のレシーバー分離型にチューリップイヤチップでご提案いたしました。
今後は、少しづつ音の増幅を増やし、小さい音の聞き取りを向上させもっとおしゃべりを楽しめるようにご協力していきたいと思います。
補聴器は、聞こえるようにするだけではなく、お客様の笑顔をつくるツールでもあることを、みなさんに知っていただくために、日々努力しようと改めて感じたできごとでもあります。